ルシア・チア「中国の出版・書物文化における大変貌―初期スペイン領フィリピンにおける中国の書物と出版」(高津孝編訳『中国学のパースペクティブ―科挙・出版史・ジェンダー』勉誠出版、2010年4月)
16世紀末~17世紀初頭の短期間のみ行われた、
フィリピンにおける宣教師による中国書の出版や漢籍の翻訳、
木版・活版の区別、フィリピンへの漢籍の流入状況などについて論じた後、
東南アジアにおける中国の文芸の伝播の差異について考察。
フィリピンのみが、他の東南アジア地域と異なり、
非受容的であったことを指摘している。
この時期の日本への漢籍の流入については、
大庭脩氏の本などを読んでいて、多少知っていたが、
フィリピンや東南アジアは、これまで全く気にしたことがなかった。
東南アジアだけでなく、日本・朝鮮なども視野に入れて、
漢籍・文芸文化の伝播を研究しているのが、ほんとにすごい。
0 件のコメント:
コメントを投稿