静永健『漢籍伝来―白楽天の詩歌と日本』(勉誠出版、2010年1月)
『白氏文集』が中世日本の文学に与えた影響を論じた論文集。
菅原道真、『竹取物語』などが取り上げられている。平易で読みやすかった。
特に興味深かったのが第四部の第三章にあたる「十三世紀の『白氏文集』」。
ほぼ同時代人の藤原定家と高麗の李奎報の詩歌から、
日本では旧抄本、高麗では宋刊本の『白氏文集』が用いられていたことを指摘。
日本と高麗の『白氏文集』受容の違い、
さらには13世紀以後の両地域の漢文学の違いについても言及している。
研究、読書、現代アート、ときどき猫
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