小坂井敏晶『増補 民族という虚構』(ちくま学芸文庫、2011年5月)
先日紹介した『アジア遊学150 アジアの〈教養〉を考える』で
紹介されていたので購入。
〈民族〉の虚構性を改めて確認したのち、その虚構性を単純に否定するのではなく、社会がさまざまな虚構が存在することによって、はじめて機能することを指摘し、開かれた共同体概念をどのように構築すればいいかを考察している。
第三章虚構と現実に「虚構の成立と同時にその仕組みが隠蔽されることが、社会生活が機能するための不可欠な条件をなす。虚構であるにもかかわらず現実の力を発揮できると主張するのではない。虚構と現実との関係をこのように消極的に捉えるのではなく、反対に両者の間に根元的で分離不可能な関係をみなければならない」とあるが、いま考えている研究テーマと密接に関わってくる。
というか、なんでもっと早く読まなかったのだろうか。アンテナの感度が落ちているような気がして、ちょっとへこんでしまった。
0 件のコメント:
コメントを投稿